フルトヴェングラーとカラヤン クラシック音楽に未来はあるのか
フルトヴェングラーとカラヤン クラシック音楽に未来はあるのか
2019.07.08
カラヤン没後30年 執筆13年 『約束の日 安倍晋三試論』『小林秀雄の後の二十一章』『平成記』に続く本格的論考
二人の演奏の天才の激しい人間劇・運命劇をテーマに、「美」とは何かという「問い」に挑んだ著者渾身の労作!
フルトヴェングラーとカラヤン――本書はこの二人が最も高度に象徴した指揮の藝術を、私が最も重要だと考へる数人の指揮者論の形を借りて様々な角度や文体を通じて描き、論じたものである。(略)
私にとつてライトモチーフは「国家」といふ情念と、人類とは何か或いは人類の霊的進化との相克と調整、調和である。本書は、いはば、私にとつて最も長きに渡る愛情と関心の対象だつた指揮の藝術を初めて正面から扱つたものである。
さあ、それでは、フルトヴェングラーとカラヤン、この二人の激しい人間劇、運命劇に、まづ読者をご招待しませう。
【目次】
序
1
フルトヴェングラーとカラヤン―葛藤の核にあるもの
2
トスカニーニの現在 ―輝き増すリアリティ
カラヤンのレコード
セルジュ・チェリビダッケ
【対談】最後のヨーロッパ人
歌を失つた時代、人はどのやうにして……
バレンボイム&ベルリン国立歌劇場の来日―圧倒的な〈トリスタン〉
クリスティアン・ティーレマン
汲み尽し得ぬ喜び、甦るブラームス―ティーレマン指揮のブラームス
ティーレマン&ミュンヘンフィルの来日公演
3
「クラシック音楽」の成立と「演奏」の天才
主要参考文献
後書き
【著者について】
文藝評論家。一般社団法人日本平和学研究所理事長。昭和42年生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修了。専攻は音楽美学。論壇を代表するオピニオンリーダーの一人としてフジサンケイグループ主催第十八回正論新風賞受賞。アパグループ第一回日本再興大賞特別賞受賞。専門の音楽をテーマとした著作は本作が初となる. 著書に『約束の日 安倍晋三試論』『小林秀雄の後の二十一章』『戦争の昭和史』『平成記』ほか多数。