松井正著 『二軍史 もう一つのプロ野球』
松井正著 『二軍史 もう一つのプロ野球』
2016.12.19
【2017年1月25日発売】
紹介
「二軍戦には監督とコーチが試合に出場できる」
「二軍リーグだけに参加したプロ野球球団があった」
「巣鴨プリズンで交流戦を実施」
「明らかになった王・長嶋の二軍戦記録」
「ジャイアント馬場は二軍では大エースだった!」
思わず驚く記録やエピソードが満載!
今でも、「二軍選手はプロ野球選手ではない」そういう声も多く聞かれるが、給料をもらいながら野球をやり、二軍の試合だろうがれっきとした記録がついてくる以上は、二軍選手もプロ野球選手。
しかし、二軍の記録はあまり注目されておらず、特に1970年代以前の記録はNPBでも全く残っていない。
かつての二軍は草野球をするような原っぱで練習や試合をし、野球ファンでも二軍に関する情報を知る機会はほとんどなかった。
華やかなスポットライトを浴びる一軍とは相反し、かつての二軍は別世界の存在だった。
しかし、二軍にも数々のドラマや記録が存在する。
日本の野球史の中で、二軍はどのような位置づけで、いかなる意味を持ったのか。
今となっては誰も知ることのない、野球史の中で埋もれてしまった二軍の真実や記録を紹介することで、戦後プロ野球の知られざる一面を解き明かす。
目次
王も長嶋も松井もイチローも
みんな二軍から始まった!
知られざる歴史と記録の世界に迫る!
序章 二軍を見ればプロ野球の未来が見える
二八名を巡る戦い
「ファーム」と呼ばれて
恵まれないプレー環境
イースタンとウエスタン
育成か興行か
育成選手制度の導入
ソフトバンク「三軍」誕生の背景
第1章 誕生
二軍制度始まる
昭和二三(一九四八)年―昭和二五(一九五〇)年
“幻”の国民リーグ
国民リーグの解散
金星・急映が二軍制度導入
「選抜軍」の北海道遠征
初の二軍戦
戦後初の横浜での試合開催
「育成」の先駆者・西村正夫
金星と急映の終焉
阪急・大陽二軍が始動
巨人二軍の誕生
水原茂が二軍コーチに
初のトーナメント大会
最初で最後の正月巡業
第2章 揺籃
二リーグ制への移行
昭和二五(一九五〇)年―昭和二六(一九五一)年
セ・パ二リーグ制へ
阪神・広島・東急が二軍結成
後の広島エース・長谷川良平登板
巨人二軍、進駐軍と交流戦
広島二軍、わずか二ヵ月で解散
山陽電鉄が二軍へ参入
山陽クラウンズ誕生
夏の北海道遠征の先駆け
阪急・南海、女子プロ野球と遠征
日本マイナーチーム選手権大会
松竹、二軍選手を会社員に
二軍選手が都市対抗に出場
南海土建野球部解散
各球団二軍の動き
第3章 岐路
昭和二七(一九五二)年―昭和二九(一九五四)年
ファームリーグの発足
毎日二軍結成
西鉄二軍を本格化
一軍公式戦の前座に
大リーグ手本に「関西ファームリーグ」発足
巣鴨プリズンのプロ野球
山内和弘、タイムリー
巨人・毎日・国鉄、二度目の戦犯慰問試合
若林忠志唯一の登板記録
山陽クラウンズ三年で解散
関西ファームリーグの公式戦化
三宅秀史、高倉照之、小山正明もプレイ
広島二軍の復活
国鉄・巨人の東北・北海道遠征
函館で初の放棄試合
セ球団が新日本リーグを結成
新愛称と別本拠地
森永製菓がメインスポンサー
前期はジュニアジャイアンツ、後期は阪神ジャガーズが優勝
阪神ジャガーズ年間王者に
松田清の連勝記録
三年目のファームリーゲ、野村克也の登場
第4章 序奏
昭和三〇(一九五五)年―昭和三五(一九六〇)年
イースタンリーグ始まる
結成記念トーナメント大会
巨人軍多摩川グラウンド開場
リーグ初年度はグリッターオリオンズが優勝
二軍初のオールスター、全勝利
ウエスタンリーグも始まる
「新日本リーグ」ひっそりと終焉
イースタンリーグ謎の一年間休止
二軍の大スター・馬場正平
馬場、プロ入り初勝利
野球人・馬場正平の足跡
東映投手だった俳優・八名信夫
延長一九回の接戦
大洋多摩川球場の完成
監督が試合出場
ONの二軍時代
稲尾和久の登場
中西太二軍監督代行
「新人軍」に
ウエスタンの北陸興行
第5章 前進
昭和三五(一九六〇)―昭和五四(一九七九)年
イースタン・ウエスタンリーグの発展
組織再編
イースタンリーグ再開
ウエスタン試合数大幅増加
柳川事件と土井正博
昭和三〇年代の二軍記録
初のジュニア・オールスター
新人研修制度の導入
支配下選手削減の余波
深刻な選手不足に
監督、コーチも試合出場可能に
大沢親分の二軍戦
教育リーグの検討
教育リーグ始まる
支配下選手六〇名に
近鉄の三軍構想
幻のロッテファイターズ
江川初登板、落合に打たれる
江川のためのオープン戦
二軍戦に五万人を集客
第6章 延長
知られざる二軍エピソード
バックスクリーンのない球場
二軍初の完全試合
韓国で行われた試合
日本プロ野球唯一のプレーオフ
神様対鉄人の初対決
ジプシー国鉄
脅威の防御率〇・一三
日本初の指名打者制度
後楽園と二軍戦
審判すっぽかし事件
選手が審判を務める
公式戦初の放棄試合
二軍MVPに自動車
主力選手をあえて二軍戦に投入
史上唯一の五冠王
ラジオ局までも動かしたアイドル選手
尾崎将司の二軍記録
第7章 大選手たちの二軍時代
大投手たちの二軍記録
金田正一/米田哲也/小山正明/鈴木啓示/スタルヒン/別所毅彦/山田久志/稲尾和久/梶本隆夫/東尾修/野口二郎/若林忠志/工藤公康/村山実/皆川睦雄/山本昌/杉下茂/村田兆治/北別府学/中尾碩志
大打者たちの二軍記録
張本勲/野村克也/王貞治/門田博光/衣笠祥雄/福本豊/金本知憲/立浪和義/長嶋茂雄/土井正博/石井琢朗/落合博満/川上哲治/山本浩二/榎本喜八/高木守道/山内一弘/大杉勝男/大島康徳/若松勉/イチロー
四六判 304頁 並製
ISBN 978-4-89992-021-2 C0075 価格 2,000円+税