「危機」と対峙する保守思想誌

表現者クライテリオン

2024年11月号好評発売中! 【特集】反欧米論ー「アジアの新世紀」に向けて

啓文社/啓文社書房

表現者クライテリオン 2021年5月号 

表現者クライテリオン,コロナ

表現者クライテリオン 2021年5月号 

2021.04.07

巻頭言

昨年から始まった「コロナ騒動」。第二波、第三波、そしてこの度の第四波と新型コロナウイルス
の感染拡大の波が訪れる度に、政府も国民も慌てふためき、自粛だ時短だ緊急事態だと騒ぎ立ててきた。
そうした騒ぎを扇動したのが「コロナは怖い自粛しろ」という意見が政治的に正しい、すなわち「ポリテ
ィカル・コネクトネス」(ポリコレ)だという強固な認識だった。しかしそれはあくまでもタテマエ
であり、コロナ騒動を繰り返す内に、世間の人々のホンネはコロナは当初危惧したほどに恐ろしいもの
ではないというものに徐々に変遷していった。つまり人々はコロナに「慣れて」いったのである。
結果、コロナを巡るホンネはタテマエと大きく乖離し、それに伴い人々の間に「コロナ疲れ」が
蔓延するに至った。そのコロナ疲れはもちろん精神的なものであると同時に、社会的・経済的
疲弊を意味するものであった。
私達はこの急激に肥大化しつつある「コロナ疲れ」に適切に対処することが出来るのだろうか?
是非、本特集を通して読者各位に、その方途をご吟味いただきたい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

目次

 

【特集】コロナ疲れの正体 暴走するポリコレ

・[座談会]
知識人は「ポリコレ」にどう向き合うべきか――「保守」と「リベラル」の対話を通じて/東浩紀×辻田真佐憲×藤井聡×浜崎洋介
・[鼎談]
なぜ日本では「自粛」が“政治的に正しい”のか――コロナ禍中の思考停止について/三浦瑠麗×宮崎哲弥×藤井聡
・[インタビュー]
「コロナ依存症」に陥った日本社会をどう癒すか――過剰自粛、ポリコレ、ポスト・トゥルースの時代を超えて/與那覇潤×聞き手 浜崎洋介
・[対談]
コロナ自粛「腰抜け」論に抗え!/小林よしのり×藤井聡
・アメリカに吹きすさぶポリコレの嵐――民主党の「改造」は何をもたらしたか/会田弘継
・「ポリコレ」について私が知っている二、三の事柄/浜崎洋介
・道徳感情、燃ゆ/綿野恵太
・ポリティカル・コレクトネスの何が問題か――アメリカ社会にみる理性の後退/ベンジャミン・クリッツァー
・社会に蔓延る「ポリコレ」――その心理的背景/加藤真人

 

【連載対談】
・永田町、その「政」の思想(第3回)「亡国」を巡る思想と実践/佐藤優×藤井聡
・大変動期を語る(後編)資本主義の地殻変動/鎌田浩毅×柴山桂太

 

【連載】
・「先進国で日本だけが」ばかりの日本国/大石久和(「危機感のない日本」の危機)
・欧米保守思想に関するエッセイ 第2回 ソルジェニツィン Part2/伊藤寛
・SNSがもたらす「沈黙の二重螺旋」/松林 薫(逆張りのメディア論)
・マルクスの亡霊たち――思想に殺された作家たち①/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・災害で進化する都市/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・早稲田に直己先生がいた時代/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・菜食主義を考える――倫理はいかにして成熟するのか/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・「領土」について政治哲学的に考える――コスモポリタニズム批判㊅/白川俊介(ナショナリズム再考)
・帰らなかった日本人妻たち――慶州ナザレ園にて/仁平千香子(移動の文学)
・「英語化が経済成長を促す」は本当だろうか?――言葉から考える⑦/施光恒(やわらか日本文化論)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一

 

【寄稿】
・ゲルニカとカサブランカ/橋本由美

 

【書評】
『農の原理の史的研究 「農学栄えて農業亡ぶ」再考』藤原辰史 著/田中孝太郎
『財政赤字の神話 MMTと国民のための経済の誕生』ステファニー・ケルトン 著/金濱裕
『新たな極右主義の諸側面』テーオドル・アドルノ 著/前田龍之祐
『ヨーロッパ冷戦史』山本健 著/篠崎奏平
『金子兜太 俳句を生きた表現者』井口時男 著/薄井大澄
『小津安二郎への旅 魂の「無」を探して』伊良子序 著/玉置文弥

 

【その他】
・表現者賞・奨励賞発表
・スガノミクスが地方を滅ぼす/お為ごかし徹底批判のための真摯な勇気を(鳥兜)
・死ぬ機会の「ジェンダー・ギャップ」/選択的夫婦別姓論の短絡(保守放談)
・読者からの手紙

 

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