「危機」と対峙する保守思想誌

表現者クライテリオン

2024年3月号2/16発売! 【特集】日本を救うインフラ論――今、真に必要な思想

啓文社/啓文社書房

表現者クライテリオン2023年9月号

表現者クライテリオン2023年9月号

2023.08.07

巻頭言

ウクライナ情勢に端を発する資源・エネルギー・食料不足と円安によって、ウクライナ情勢に端を発する資源・エネルギー・食料不足と円安によって、我が国は一気に「デフレ」から「インフレ」への局面に移行した。この局面展開を受け、岸田内閣は金融“緩和”政策も、“積極”財政政策も縮小、中止の方向へと方針を転換する見込みが高まっている。
しかし、今、問題なのはインフレではなく「賃金の低迷」に他ならない。賃金上昇のためには、金融緩和も積極財政も必要であり、その中止・縮小は確実に賃金下落圧力を拡大する。では政府は「賃上げ」のために一体如何なる方針を打ち出すべきなのか? 現下のインフレを活用しつつ、真のデフレ脱却と賃金の実質的上昇を導く対策を、ここに改めて問う。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

〔特集〕インフレは悪くない、悪いのは「低賃金」だ!

・特集によせて/藤井聡

【特集座談会】

・「健全なインフレ」に向けた戦略論――自由民主党・西田昌司、城内実両氏に聞く/西田昌司×城内 実×藤井 聡

【特集対談】

・あらためて「貨幣の謎」を考える
第㊀部 講義編 現代貨幣理論(MMT)には何が見えていないのか? /大澤真幸
 第㊁部 対談編 貨幣と資本主義をめぐって/大澤真幸×柴山桂太

・「政府による貨幣発行」、その思想の原点を探る――前明石市長・泉房穂が語る「民のための政治」/泉 房穂×藤井 聡

【特集論考】

・債務国家とインフレの政治学/柴山桂太

・論拠なき移民国家化を憂う/施 光恒

・宵越しの銭を持たぬために――「デフレ脱却」の思想/浜崎洋介

・増えた税収は国民に還元せよ――実質賃金減少を招く元凶は緊縮財政/田村秀男

・財務省が仕掛けた「一〇〇〇億円縛り」の罠――「骨太の方針」を巡る攻防を読み解く/須田慎一郎

・羊頭を掲げて狗肉を売る政権/森永康平

・岸田政権は金融緩和と積極財政のポリシーミックスを継続できるか/会田卓司

・日本再生の障害は自民党である/鈴木傾城

〔連載〕

【連載】

・「アジアの新世紀」
〔企画始動記念座談会〕保守から考えるアジアの近代――福田恆存の「韓国論」を手がかりに(第二回)アジアの過剰な「適応」と「反発」/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
  拝啓 王毅・中国共産党中央政治局委員殿――二つのアジア主義の峻別を/坪内隆彦

・「危機感のない日本」の危機 超が付く不思議の転落国・日本/大石久和

・「農」を語る 第3回 人と自然を取り持つ「農」/中貝宗治×藤井 聡

・虛構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー第二十八回 マルクスの亡霊たち 『人新世の「資本論」』批判(余滴)/ 富岡幸一郎

・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第4回 新自由主義の呪縛から逃れられない霞が関/室伏謙一

・ナショナリズム再考 第22回(最終回)リベラリズムとナショナリティ:再論/白川俊介

・やわらか日本文化論 官僚志望者の減少は良いことか/施 光恒

・経世済民 虫の目・鳥の目 第3回 今さら聞けないコストプッシュインフレの真実/田内 学

・映画で語る保守思想 第6回 『仁義なき戦い』に見る、「父」を失った日本人(後編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第5回 MURO / Diggin’ Ice 2020/篠崎奏平

・東京ブレンバスター⑦ 日米開戦の裏にアニメあり/但馬オサム

・編集長クライテリア日記 令和五年六月~七月/藤井 聡

【巻末オピニオン】

・生成するAI、構想する人間/川端祐一郎

【書評】

・『忘れられた戦争の記憶 日本人と〝大東亜戦争〟』 小幡 敏 著/長谷川三千子

・『Nの廻廊 ある友をめぐるきれぎれの回想』 保阪正康 著/平坂純一

・『現代日本経済史 現場記者50年の証言』 田村秀男 著/田中孝太郎

・『土に贖う』 河﨑秋子 著/橋場麻由

・『人間の条件』 ハンナ・アレント 著/前田龍之祐

【その他】

・〔表現者奨励賞受賞記念〕私たちはガンディーにはなり得ない――沖縄の「平和主義」は「非暴力」主義に耐えうるか/藤原昌樹(寄稿)

・余白に耳を傾けて/首藤小町(寄稿)

・公教育にもっと投資を(鳥兜)

・権力腐敗を糺す「正義」を臆せず語るべし(鳥兜)

・河野大臣に不向きな仕事(保守放談)

・神経症者としての財務省(保守放談)

・塾生のページ

・読者からの手紙(投稿)

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