「危機」と対峙する保守思想誌

表現者クライテリオン

2024年11月号好評発売中! 【特集】反欧米論ー「アジアの新世紀」に向けて

啓文社/啓文社書房

表現者クライテリオン 2020年3月号 (2月15日発売)

表現者クライテリオン 2020年3月号 (2月15日発売)

2020.02.04

~巻頭言~

安倍内閣は「消費増税対策に万全を期す」と叫びながら消費増税を断行し、
「アベショック」と言い得る激しい経済低迷を導いているにも拘わらず、
「景気は緩やかな回復基調にある」と公言し続けている。現内閣は今「桜
を見る会」での各種のウソが批判されてはいるが、この経済に関するウソ
による国民的被害は遥かに甚大だ。あるいはアメリカのトランプ大統領は
993日で13435回の「ウソ」をついたと報告(ワシントンポスト紙)されて
いるし、韓国のムンジェインもまた「南北統一」なる現実味の無い大風呂敷
を広げることを通して、ますます国際的な孤立を深めている。
すなわち今、「民主主義国家」と呼ばれる国家のリーダー達が、幼稚な
「ウソ」を積み重ね、それを通して自滅への道をひた走っている。
「危機と対峙する」ことを旨とする本誌表現者クライテリオンでは、こう
したリーダー達のあからさまなウソとそのウソを是認する社会の有り様を様々
な角度から立体的に批評することとした。
表現者クライテリオン編集長 藤井聡

~目次~

【新連載インタビュー】
養老孟司、常識を語る(第1回)――肥大化するシステムと、崩れ行く世間/聞き手:浜崎洋介

【特別対談】
臆病者の国、日本は、世界から侮蔑される(後編)/伊藤貫×藤井聡

【特集】
溶解するナショナリズム、幼児化する民主主義/会田弘継×堀茂樹×藤井聡
「高貴なる生」に向けて ポスト・トゥルース、ニーチェ、オルテガ/浜崎洋介
緩んだ空気に抗して/川端祐一郎
嘘の中の現実 ポピュリズム勢力の台頭と政治の虚構化/薬師院仁志
滅びゆく国家の肖像/文在寅のごまかし政治の行く末/李相哲
バカで卑劣で腐り果てた有権者/適菜収
「沖縄の基地問題」にまつわる嘘話/藤原昌樹
貧乏神がささやく景気堅調の嘘/田村秀男(アベノミクスの失敗)
嘘と夢のはざまで/佐藤健志(一言一会)

【緊急寄稿】
ますます悪化していくアメリカの中東政策/伊藤貫

【連載】
「危機感のない日本」の危機 国土認識の危機/大石久和
時がつくる場所 第十一回(最終回) 歴史なき自由が生んだ「コモンズの悲劇」/松原隆一郎
世界の農村を支える小農と家族農業への国際的注目――日米FTA以後の方向性を考える/松平尚也(農は国の本なり)
日欧が手を組み、アメリカへの従属を脱しよう(フランス保守論客インタビュー ブルーノ=メグレ元共和国運動党首 後半)/聞き手:及川健二
観念と肉体――埴谷雄高『死霊』の衝撃力(2)/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
伊達政宗の仙台――三・一一の仙台市民を助けた/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
愛し得ぬ人々/磯邉精僊(問ひ質したきことども)
「スポーツの日」が招く忘却――言葉から考える(2)/施光恒(やわらか日本文化論)
君、財政出動することなかれ/佐藤健志(だからこの世は宇宙のジョーク)
移動の自由がもたらす「リベラル・ディストピア」 「移動せずともよい社会」を目指して(一)コスモポリタニズム批判(二)/白川俊介(ナショナリズム再考)
報道とは死ぬことと見つけたり/松林薫(逆張りのメディア論)
メディア出演瓦版/平坂純一
編集長クライテリア日記/藤井聡
思想の転換点――平成から令和へ 第4回 リアルポリティクス(後半) 経済・財政政策の転換点/小沢一郎×宮崎哲弥×藤井聡

【寄稿】
唱歌教育にみる日本文化の連続性/佐藤慶治

【書評】
『歴史がおわるまえに』與那覇潤 著/岡﨑祐貴
『7つの階級 英国階級調査報告』マイク・サヴィジ 著/田中孝太郎
『英国議会「自由な解散」神話――解釈主義政治学からの一元型議院内閣制論批判』小堀眞裕 著/酒井佑陶
『精神科医が教える聴く技術』高橋和巳 著/篠崎奏平

【その他】
平成三十一年度・令和元年度 表現者賞・奨励賞発表
臨界を突破した安倍政権の「嘘」――「悪魔」に憑かれはじめた日本人(鳥兜)
「市民感覚」は正義や真理の拠りどころたり得るか(鳥兜)
パンデミックの必然(保守放談)
片山さつき議員の「嘘」(保守放談)
読者からの手紙(投稿)

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